乳がん用語集

悪性度

顕微鏡でみたがん細胞の形を指し、がん細胞の「顔つき」とも呼ばれます。浸潤がんでは,がん細胞の悪性度が高いと再発・転移の危険性が高くなり、悪性度はグレード1~3の3段階に分けられます。

 

インプラント

インプラントとはシリコン製の人工乳房を指します。エキスパンダーで皮膚を伸ばした後にインプラントを挿入します。インプラントによる乳房再建は自家組織と比べて、手術時間や入院の期間が短いため体への負担が比較的軽くなります。。乳房全摘手術を受けた方がインプラントによる再建を行う場合は保険が適用となります。

 

エキスパンダー

乳房再建の際に、皮膚やその周辺組織を伸ばすために使われる皮膚拡張器。1~6ヶ月かけてエキスパンダーに生理食塩水を注入し、徐々に皮膚を伸ばしていきます。    

 

健側(けんそく)

二つある乳房のうち、切除手術を行っていない側。

細胞診

乳がん検診(超音波・マンモグラフィなど)でがんが疑われたり、判別がむずかしい場合に行います。しこり部分に直接細い注射針を刺し吸引した細胞や、乳頭からの分泌物を染色して、顕微鏡で正常なものと比較し診断を行います。 

 

自家再建

自家組織によって乳房再建すること。自家組織とは自分の体の組織のことで、主に「お腹」か「背中」どちらかの組織が移植されます。インプラントと比較し、形が自然、やわらかい、温かいというメリットがありますが、手術時間・入院期間が長い、組織を取るためにお腹や背中に傷跡が残るというデメリットもあります。

 

腫瘤(しゅりゅう)

「はれもの」や「こぶ」「しこり」のこと。マンモグラフィでやや白く映ります。腫瘍以外に良性のものも含まれます。

 

浸潤

乳がんは「浸潤がん」と「非浸潤がん」の二つに大別されます。浸潤とは、がん細胞が周囲の組織を壊しながら入り込み、広がっていくこと。乳がんの場合は、がん細胞が乳管・小葉の中に収まっている場合、非浸潤となり、適切な治療を行えば、転移・再発のリスクはほとんどありません。一方、がん細胞が乳管・小葉の周囲に広がっている浸潤がんの場合、転移・再発のリスクがあるため、リスクを抑えるための治療が行われます。

 

穿通枝皮弁法(せんつうしひべんほう)

皮弁法とは、自家組織を身体のある場所からほかの場所へ移動することによって欠損した部分をおぎなう再建手術の方法です。お腹からの皮弁法には「腹直筋皮弁法」「穿通枝皮弁法」の二つがあります。

穿通枝とはお腹の下を流れる細い血管のことで、皮膚や脂肪に栄養を送っています。腹直筋皮弁法が、お腹の皮膚、脂肪、筋肉の一部に血管をつけた状態で胸に移植するのに対し、穿通枝皮弁法では血管のついた脂肪のみを移植します。お腹の筋肉や神経を切り取らないため、腹筋が弱くなりません。ただし、筋肉から血管を取り出すには高度な技術が必要でかつ時間もかかるため、実施できる施設が限られます。

 

タモキシフェン

ホルモン療法で使用される抗エストロゲン剤の成分名。商品名は、ノルバデックス、タスオミンなど。エストロゲン受容体をふさいでエストロゲンが乳がん細胞に作用するのを妨げます。再発予防として術後に使われるほか、進行・再発乳がんでは進行を抑える効果が期待できます。閉経前・後に関係なく使われます。

病理検査

手術または検査の目的で採取された臓器、組織、細胞などを染色し、顕微鏡等を用いて詳しい診断を行うこと。病理検査の結果を病理診断といいます。

乳がんの場合、主に、がんかどうかを診断するために行われる病理検査と、がんと診断されてから組織や手術で切除した標本を観察し、がんの種類や性質を調べる病理検査の二つがあります。術後の病理検査では浸潤の有無、腫瘍の大きさ、がんの種類(組織型)、がん細胞の悪性度(グレード)、がん細胞の増殖能(Ki67陽性がん細胞の割合など)、リンパ節転移の有無と個数、脈管侵襲(がん周囲の血管やリンパ管にがん細胞がみられるかどうか)、ホルモン受容体の有無、HER2タンパクの過剰発現あるいはHER2遺伝子増幅の有無などを検査しています(日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドラインより)。術前に行う針生検などの結果と手術で切除した腫瘍を調べた検査では結果が異なることもあります。術後の病理検査結果をもとに、年齢や月経の状況などを元に術後の治療方針が決まります。

 

ピアサポート

英語ではpeer support。同じ立場の者同士によるサポートを意味します。がん患者やその家族同士で語らいあう場が病院やボランティア、NPO団体によって提供されています。


ピンクリボンアドバイザー

認定NPO法人乳房健康研究会が実施している認定制度。乳がん、検診、治療、ピンリボン運動などについて正しい知識を持って、まわりの人の乳がん検診受診のきっかけをつくる役割を担います。

くわしくはこちら→ピンクリボンアドバイザー認定試験

 

ホルモン受容体

ホルモン受容体とは,エストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)のことで,乳がんにこのどちらかがあれば,ホルモン受容体陽性がんとなります。女性ホルモンの一種であるエストロゲンがこれらのホルモン受容体にくっつき、がん細胞が増力するように刺激します。ホルモン受容体陽性がんでは,エストロゲンをブロックするホルモン療法が行われます。


ホルモン療法

ホルモン療法とは、ホルモン受容体が陽性の乳がんに行われる治療法です。再発予防として術後に使われるほか、進行・再発乳がんでは進行を抑える効果が期待できます。閉経の有無、年齢などを考慮して使用薬剤が決められます。

 

マンモトーム生検

マンモグラフィーやエコーの画像で病変を確認しながら針を刺し、組織を採取する検査方法です。画像で確認することで、病変部だけを無理なく確実に採取することができます。局所麻酔で傷跡も小さく、縫合や入院の必要もありません。乳がんの確定診断に使われる他、乳がん確定後も術前化学療法の治療方針を決めるためなどにも行われます。